ご紹介できる技術・製品

SQ塗料は高い輻射(放熱)以外に、耐熱性、密着性、高硬度(耐摩耗性)、摺動性(滑り性)、耐蝕性、防汚性(撥水・撥油性)を合わせ持つため種々の製品への応用が進んでおります。
【参考動画】
  1.高温での防汚特性1: 直火での焦げ付きやスス付着が簡単に除去。他社のフッ素コーティングと比較します
   高温での防汚特性2: 飯ごう炊飯でのご飯の取り出しや洗浄が容易になります
  2.すべり性向上  : すべりにくい樹脂表面がつるつるになります
  3.耐摩耗性    : 膜が硬いので真鍮のブラシで擦っても剥がれたり深い傷がつくことはありません 
  4.密着性     : 金属板への密着もよく180°折り曲げても剥がれにくいです

1.放熱性

応用分野例: LEDやソーラーパネル、モーター、電子機器、架線、通信基地局等の放熱による効率Up

特徴

  • SQ塗膜は熱放射率が0.90(SQ153)、0.95(SQ159)であり、鏡面金属に対し約10倍の熱放射性がある
  • 放熱には、熱伝導、対流、放射の3つがあるが、放熱塗料はそのうち放射機能を向上させる
  • 冷却のための送風が無い(弱い)場合や熱伝導による放熱が不十分の場合に効果が大きくなる
  • 外気との温度差が大きいほど放射の効果は大きい。SQは耐熱性が高いので高温の冷却に最適
  • 特に鏡面の金属は放射率が低いので放熱塗料塗布の効果は大きくなる
  • ただし送風が十分ある場合には放射放熱効果はあまり大きくならない(例えばクーラーの室外機)
  • もともと放射率の高い材料(例えば樹脂やセラミック)に塗装しても放熱効果向上は小さい

【実験1】SQ159によるラジエターの冷却効率向上


SQ159(黒)をスプレー塗装し自然乾燥


冷却効率は、対流(風)冷却にSQによる放射冷却が上乗せされる


2.耐熱性・防汚性

応用分野例: 鍋、フライパン等加熱キャンプ用品、射出成形型、加熱加工型、塗装治具
       加熱調理器具、熱処理炉、焼き付き防止等の高温表面の汚れ焼き付き防止
       高速鉄道や自動車のフロントの強固な汚れの付着性低下(洗浄性向上)
       風雨にさらされる部材への汚れの付着性低下(洗浄性向上)
       冷却水を噴霧される放熱機器(冷却水中の付着ミネラルの洗浄性向上)
       樹脂などの滑りにくい表面の滑落性を向上       

特徴

  • 耐熱性:600℃(SQ153)、350℃(SQ159)
  • 塗膜成分がほぼ無機のため耐熱性が高い
  • フッ素系防汚膜に比較し高温の防汚特性は圧倒的に良い
  • 撥水性、撥油性、滑落性を有する

【実験2】他社のフッ素コートとの耐熱防汚性の比較 

・・・鍋の内外にSQ153と他社フッ素コート2種類を1/4ずつ処理します。残りの1/4は無処理です



・・・次に薪の直火で加熱


処理した鍋に牛乳を入れ、薪の直火で加熱


→ しばらくすると牛乳は鍋の中で焦げ付きます


→ 鍋底にもススがしっかりこびりつきます

・・・汚れの除去性を確認


流水で流すだけでSQ153の部分のみ焦げが除去


鍋底のススもSQ153塗布部だけ除去しやすいです

【実験3】レーシングカーのフロント防汚性

・・・レーシングカーの向かって左にSQ153を塗布し、その後は自然乾燥のみ


・・・耐久レース後


SQ塗装側は汚れが少ない


未塗装部は汚れが多い


・・・バンパー部の拡大


SQ153塗装部拡大


未塗装部拡大

【実験4】接着剤塗装での治具洗浄性


SQ153を塗布してある右半分は接着剤の剥離性が良い


・ゴム系接着剤を塗装する工程で治具にも接着剤が付着するため定期的な剥離洗浄が必要であったが除去性が悪く重労働であった
・治具にSQ153を塗布しておくと容易に接着剤を除去できるようになった

【実験5】滑落性の向上 


ポリカ樹脂にSQ153を塗布すると滑り性が向上する


3.塗布の容易性、室温乾燥

応用分野例: 塗布後の焼成乾燥がしにくい低融点材質や大型製品へ密着の良い硬い塗装ができる

特徴

  • 一般ユーザーでの塗装が可能:DIYにも適する
  • 手塗りやスプレー塗装が可能:手塗り(SQ153)、スプレー(SQ153、SQ159)
  • 特にSQ153は塗り広がりが大変良いため、少量で大面積に塗布できる

【実験5】SQ膜の膜厚確認


SQ153(透明)は塗り広がりがよいため手塗りでは0.03μの薄さ
スプレーでは 5~8μmとなります


4.耐摩耗性 

応用分野例: 高速鉄道や自動車、オートバイのフロントの汚れ付着低減、除去性向上

特徴

  • ビッカース硬度が高い:Hv242(SQ153)、Hv115(SQ159) … 参考:Hv175(ステンレス)

5.密着性

応用分野例: プライマーなしでの金属への直接塗装
       ゴムや樹脂等の変形を前提とした材料への塗装
       耐摩耗性を要求される表面

特徴

  • 塗膜は金属や樹脂の表面との結合を向上させる物質で構成されるため密着性が大変良い
  • 塗装後に金属や樹脂を変形させても剥がれにくく追随する

【実験6】SQ膜の密着テスト 


アルミ板にSQ159(黒)を直接塗装し自然乾燥


180°曲げてみました


密着がよいので、膜の剥離はありません


6.表面の平坦化

応用分野: 環境劣化樹脂の質感復活
      樹脂表面等の滑落性向上

特徴

  • SQ153は透明なので素材の質感、色を損なわず塗装できる: 金属、樹脂、革製品、紙等にも塗装可能
  • 日射等で劣化し生じた樹脂表面凹凸を埋めることで質感を復活させる
  • 凹凸を埋めることで表面が滑らかになり滑落性が向上する

【実験7】アルミのサンドブラスト面の平坦化


断面SEM(倍率5000倍) アルミの凹凸を平坦化


断面SEM(倍率5000倍) 大きな凹凸も平坦化


7.遮熱性

応用分野例: 自動車、電車等のガラス

特徴

  • SQ153はガラスより屈折率が高いため日射の遮熱効果も少々有する

【実験8】自動車のガラスの遮熱


自動車のガラスにSQ153を塗布すると室温が若干下がる


8.樹脂部品の外観再生

応用分野例: 自動車樹脂部品、屋外設置の樹脂部品

特徴

  • SQ153は無機材料であるので美観の維持が長い
  • 耐候性がよくUVでの劣化が少ない
  • 風雨で汚れても除去しやすい

【実験9】車の白化樹脂部品の美観再生と寿命確認


白化樹脂(右)と白化樹脂にSQ153塗布(左)


1年後:SQ153の美観再生は維持されている

【実験10】車の白化樹脂部品の美観再生


劣化樹脂: SQ153塗布前


樹脂外観再生: SQ153塗布後

SQ153を10ccに小分けした塗布キットを販売しておりますので、お利用の方はご連絡ください。
SQ153は塗布で伸びやすい液ですので、スズキハスラー(上写真)のバンパー塗布使用量は5~6ccでした。キャンプ用品塗布には十分な量です。
塗布キットは、SQ153(10cc)、塗布スポンジ、スポイト、ビニール手袋で 3780円(配送費込み)+税です。